【書評】本当に1時間でハングルが読めるようになるのか【1時間でハングルが読めるようになる本】

本の概要


本書は、ハングル文字を読めることなることを主眼においた韓国語学習の入門書です。
著者のチョ・ヒチョル先生は、韓国語教育を専門としていて、2009年度、2010年度と2年連続でNHK「テレビでハングル講座」に講師として出演していました。分かりやすい説明とやさしい語り口で、韓国語学習者からの絶大の人気を博しています。

なぜこの本を手に取ったか


日本に住んでいても駅の案内など日常生活のあらゆる場面でハングル文字を目にすることが多い。
そんなハングル文字を単なる記号としてではなく、意味のある文字として認識できるようになりたいと以前から思っていた。
そんな時に、本書と出会った。タイトルで「1時間でハングルが読めるようになる」と謳っている。
ハングル文字を読めるようになったら、旅行で観光に行く際や韓国ドラマを見る際の楽しさが増すはず。
「それがなんと1時間の勉強で身に付くなんて!」
そう思ってぼくはこの本を手に取った。

検証してみた


いくら本書の内容が良くても1時間でハングルが読めるようにならなければ誇大広告である。
果たして、1時間で本当にハングルが読めるようになるのか。
10時に読書を開始して検証してみた。

10:00
本を机の上に置き、呼吸を整える。こんなに集中するのはひさしぶりだ。

10:03
母音の見分け方を学ぶ。韓国語では、「〇」がついているものが母音である。
日本語の「あ、い、う、お」にあたるハングルを覚えたが、その中に「え」にあたるものはなかった。なんで「え」がないんだろうという疑問が残るがとりあえず先に進む。

図は「い」にあたる母音。
ハングル文字の母音。右から日本語における「い、う、お、あ、お、う」に相当する。

10:05
4種類の子音を覚える。また、ハングル文字の仕組みを覚える。

日本語の「き」にあたる文字。ハングル文字は子音と母音にわけることができる。

10:15
子音と母音を組み合わせて30文字読めるようになる。

15分経過時点で読めるようになったハングル文字の一覧。左端の列は上から日本語の「い、き、に、み、し」にあたる。

10:17
母音を新たに4個覚える。これで覚えた母音は合計10個になった。
日本語と違い韓国語では、ヤ行も母音扱いする。

ヤ行の母音。右から日本語の「や、ゆ、よ、よ」にあたる。

10:20
「え」の母音を覚える。本文中に、なぜ「え」だけ別に解説をしたのかについての記述はなかった。何か特別な理由でもあるのだろうか。

両方とも日本語における「え」である。

10:25
残りの子音をすべて覚える。

10:35
パッチムの仕組みとその読み方を覚える。

赤色の部分を「パッチム」という。図の文字は「きむ」と読む。

10:40
激音、濃音を学ぶ。激音、濃音についての説明は省略する。今まで習ったものに毛が生えた程度と思ってもらうとよい。

10:45
ダブル母音、ダブルパッチムについて学ぶ。ここらへんから内容が重くなってくる。

10:55
有声音化を学ぶ。本書の最後の方はきちんと理解することができなかったが、なんとか1時間以内に本書を読み終えることが出来た。結論から言うと、基本的なハングル文字は読めるようになった。日本語に当てはめると、「あ行」や「か行」といった基本的なひらがなは読めるが「ぱ行」は読めないみたいな感じだろうか。

感想


本書では、ハングル文字をそれに似た形のものを連想しながら覚えることができる工夫をしているので、気軽に読むことが出来た。「1時間でハングルが読めるようなる」というコンセプトなので、難しい箇所には触れずに基本的な部分のみを扱っている。
韓国語は語尾変化が多い言語である。しかし、それについての説明は本書では省かれているため、本書を読んだだけではだいたいの読み方は分かるものの正しい読み方は分からない。
そのため、「1時間でハングルが読めるようなる」というより「1時間でハングルが読めたような気になる」と表現したほうが適切なように思える。
ただ、ハングル文字を全く読めない状態からハングル文字を読めるようになりたい人にとってはおススメできる入門書である。